バーチェス頁岩(けつがん)から5億年前の奇妙な生物群が見つかったことから学者たちがさまざまな説を唱え、だんだん新しい見方が受け入れられていくのをドキュメンタリー調に追った本です。
一般的に、生物はどんどん進化して多様化してきていると考えられていますが、バーチェス頁岩からは今は絶滅してしまった生物がたくさんあり、実はそれは違うという話(非運多数死)。地球をリプレイしても人類はいつでも生まれていたと考えられていますがその可能性は非常に低いという話、など、かなり衝撃的な本です。学者が書いたものらしく冗長なところがありますが、全体としては非常にエキサイティングで知的好奇心を刺激される良書だと思います。
例えば、最古の原核生物は35億年前に発生しましたが、それから多細胞生物が発生するまでには30億年ほどかかっています。ここで例えば地球をリプレイした場合、この30億年が100億、200億年になる可能性は「少なくありません」。すると、そもそも多細胞生物は発生せずに地球が滅亡してしまう可能性は実は結構高いことになります。
こうして考えるとき、恐らく人間のような知性が発生する確率は全宇宙で考えてもほとんど奇跡に近いのかもしれないと思えてきます。宇宙人などいない確率が99.9%でしょうか。少なくとも、宇宙人とコンタクトを取れても人類のような哺乳類である可能性はよほど少ないのだろうな、などと妄想がどんどん膨らんでいく本です(笑)。
on 本・芸術 投稿者 shintaro : March 21, 2005 03:25 AM